SSブログ

東京日記<芸術の秋>…その3 [東京日記]

日本国中に大きな被害をもたらした台風が,温帯低気圧に変わりました。
青森市では,6日(月)日中,雨と風が吹きましたが大した被害もなく,台風一過というところですが,全国の被災者を思えば心が痛みます。

先週2日,3日の二日間は,仕事を休んで上京しましたが,音楽と美術に親しむ,芸術の秋を堪能する旅でした。

東京国立新美術館は,収蔵品を持たない,いわゆるアートセンターとしての美術館だそうです。
国立新美術館.jpg
最初に訪れたのは3年前,今回と同じ「オルセー美術館展」でした。
長蛇の列の入館者の中で随分並んだ記憶があります。
平日だから,そんなに混雑はないだろうと高をくくっていましたが,今回も大勢の人が並んでいました。

Ⅰオルセー美術館展 「印象派の誕生―描くことの自由―」
 前回のオルセー展の方が規模は大きかったですが,今回はマネの作品が多く展示されていました。
 世界で一番有名な少年と何かに書かれてありました。
 今回のオルセー展を見たかったのは,マネの「笛を吹く少年」が来るからでした。
 中学時代,音楽か美術の教科書の表紙のあの絵です。
 軍楽隊の制服を着た少年,黒い木製の横笛,腰に金属の笛の鞘。想像していたよりもずっと大きい絵でした。色彩がすばらしい。誰もが知っている少年の顔は,日本人とも思える顔つきでした。
この絵だけでも今回のオルセー展に満足しました。

Ⅱチューリヒ美術館展「-印象派からシュルレアリスムまで-」
 オルセー展と併行して開催していた展覧会です。
 ゴッホの絵も良かったし,シュールな絵画も良かったです。
 マネの「笛を吹く少年」の強烈な印象に,名画揃いのチューリヒ展の印象が希薄になりました。

Ⅲ葛飾北斎展
 二つの西洋美術展を見た翌日,上野の森美術館で開催されている「ボストン美術館」収蔵の葛飾北斎展を見ました。
 圧倒されました。中でも人気の富嶽三六景「神奈川沖浪裏」,「凱風快晴(いわゆる赤富士)」の現物に感激でした。
北斎展2.JPG
北斎展1.JPG

「神奈川沖浪裏」
日本よりも西洋で人気が高い作品だそうです。ドビュッシーもこの作品に影響を受けたようで,交響詩「海」の楽譜の表紙に使われています。
今回の公式図録の表紙になっています。
大きな波に飲まれそうな小さな舟を配し,向こうに小さな富士が見えています。
ダイナミックな構図と色彩にドビュッシーも感動したのでしょう。

「凱風快晴」
これが赤富士の正式名称だそうです。
版画は何度も版を重ねていく中で,微妙に色合いを変えながら刷るものらしく,絵師,彫師,刷師,版元の思いが生きているのです。
もっと大きいイメージでしたが,そんなに大きいものではありませんでした。大量に刷る和紙の大きさに制約があったのでしょう。

ボストン美術館は,日本美術の大きなコレクションがあるようですが,ほとんどの作品は,個人からの寄贈によるものだそうです。


今回の東京の旅は,音楽と美術,西洋と日本の芸術を堪能するものでした。
季節は秋,文字通り芸術の秋を体で味わう旅になりました。

次はいつになるか。2月にお気に入りの「庄司紗矢香」のシベリウス/ヴァイオリン協奏曲の演奏会があるので,その時になるか?






 
 
  


nice!(0)  コメント(2) 

nice! 0

コメント 2

midori

神奈川沖浪裏は、子供の頃切手を集めていたとき欲しくて欲しくてたまらなかった図案です。
未使用切手は高くて買えなかったので、切手雑誌の細かい広告を毎月チェックして、使用済みのものを通販で手に入れたことを思い出しました。
小学校の家庭科の授業で、ろうけつ染めののれんを作ったときもこの絵柄にしました。不細工なできでしたが部屋の入り口に20年以上かけていました。
信州小布施にも北斎館がありますので、機会があれば是非。
by midori (2014-10-07 11:13) 

hitoshi

以前,ブリヂストン美術館の「ドビュッシーと印象派展」で,交響詩「海」の楽譜を見ましたが,それ以来,神奈川沖浪裏が大好きになりました。
小学生のころからこの絵に注目していたとは驚きです。
信州小布施は栗で有名ですね。
是非,出かけて,北斎を見たいものです。
洋の東西を問わず良いものには感動します。

by hitoshi (2014-10-07 17:01) 

コメントを書く

お名前:[必須]
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。