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東京日記2017.9.1,2…① [東京日記]

ブログ更新が少し遠のきました。
先週は,何故か仕事が立て込み,いつになく忙しい1週間でした。
その間に8月が過ぎ,もう9月です。

忙しいと言いながら,9月1日,2日と東京に出かけました。
息子は東京に居りませんので,気ままな私だけのための一人旅です。

その一番の目的は,ヴァイオリンの鬼才,巨匠「ギドン・クレメル」のコンサートを聞くためでした。ギドン・クレメルと言えば,現在,世界で最も著名なヴァイオリニストと言っていいのではないでしょうか。若いころからLPレコードを持っていましたし,CDも持っています。
ギドン・クレメル.jpg

9月1日東京芸術劇場 ヴァイオリン:ギドン・クレメル,チェロ:ギードレ・デイルヴァナウスカイテ,ヤツェク・カスプシク指揮読売日本交響楽団
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①ヴァインベルグ「ポーランドのメロディー」作品47No.2
②フィリップ・グラス「ヴァイオリンとチェロのための二重協奏曲」(日本初演)
③ムソルグスキー(ラヴェル編)「展覧会の絵」

①ポーランドの作曲家ヴァインベルグは,ユダヤ人であるがゆえに,ナチスから逃れロシアに逃げ
,ショスタコーヴィチにも助けられたものの,スターリン体制のロシアは安住の地ではなかったようです。家族は強制収容所で亡くなりました。
この曲は,故国ポーランドに思いを寄せた第1曲「アダージョ~アレグロ」第2曲「アンダンティーノ」第3曲「アレグロ」第4曲「アレグロモデラート」の4曲の構成で,第4曲は,華やかなマズルカで締めくくられています。
1949年にモスクワで作曲された曲ですが,ソ連時代の暗いイメージはなく,明るくのどかな田園の雰囲気が感じられ,映画音楽に使われそうな曲です。日本でいえば,佐藤勝の映画音楽が思い出されました。

②アメリカのフィリップ・グラスの2010年の曲で,日本初演です。
ギドン・クレメルは,演奏活動において,作曲家から献呈を受けたもののほか,世界初演が多いのだそうです。
この曲は日本初演,7曲で構成されており,ヴァイオリンとチェロの二重奏が4曲,その間にオーケストラ主体の3曲。

クレメルはヴァイオリンを頭上に掲げてステージに登壇,彼が主宰する「クレメラータ・バルティカ」の女性チェリストと共にこの協奏曲を熱演しました。
チェロとのデュエットは,かつて録音したモーツァルトの協奏交響曲を思い出されました。二人の男女がささやくような,あるいは対話しあうような緩やかに揺れ動くような音楽です。

クレメルの演奏は,スポーツをするような,かつてのジャズピアニスト「キース・ジャレット」を連想しました。失礼かな。
同年の70歳,巨匠の若々しい演奏を,ステージから5列目で間近に表情も見ることができました。

アンコールに応えて,チェリストとのデュエットで「カンチェリ/ラグ・ギドン・タイム」,おそらく,カンチェリという作曲家がクレメルのために作曲したものでしょう。ウィットにあふれたスリリングな曲でした。
クレメル・アンコール.JPG

③誰でも知っている「展覧会の絵」
オーケストラ渾身の演奏でした。
ラヴェルのオーケストレーションの凄さにノックアウトです。


1曲目,2曲目とも初めて聞く新しい曲ですが,非常に親しみやすく,楽しい曲でした。
現代音楽というと拒否反応を起こす人もいますが,そのような人も楽しめるコンサートでした。

前から5列目でクレメルに接して,今回のコンサートは一生忘れることがないでしょう。


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