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バックハウス最後の演奏会 [音楽]

今日で10月は終わりです。昨夜も今朝もあられが降ったとか。
初冬です。

10月は,自宅でベートーヴェンのピアノ協奏曲を集中的に聞き,サントリーホールで都響の定期という具合に,かなり音楽に集中した月でした。
10月最後の日,「ウィルヘルム・バックハウスの最後の演奏会」を聞くことにしました。

ベートーヴェンのピアノ協奏曲の4,5番とブラームスのピアノ協奏曲の感想を書きましたが,これらは名演奏として知られているものですから,言わずもがなのことでした。
今回取り上げた,ルービンシュタインやアラウの演奏も最晩年の録音が名盤・名演奏として評価を受けているものですし,バックハウスも晩年に至って,鍵盤の獅子王のイメージから円熟の境地に達したと評価されてもいます。

そのバックハウスの85歳の時の演奏会がこのCDに収められています。
1969年6月26日,6月28日,オーストリア,ケルンテン州,オシアッハ修道院教会で録音されたものです。
バックハウス最後の演奏会.jpg


ベートーヴェン,モーツァルト,シューベルト,シューマンのソナタや小品が演奏されていますが,ミスタッチがあるからどうのという音楽ではないと感じられる演奏会です。
モーツァルトのソナタ11番「トルコ行進曲付き」やシューベルトの即興曲D935-2など,誰でも知っているこの曲を,テクニックを見せつけるわけでもなし,ただ淡々とピアノに向かうバックハウスの姿が見えるようです。

6月28日の演奏会の途中でバックハウスは心臓発作で倒れ,その7日後に帰らぬ人になったのです。
このCDは,1枚目が26日の演奏会,2枚目が28日の演奏会が収録されていて,2枚目は25分と収録時間が短いことからも,バックハウスのこうした事情が分かります。


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