SSブログ

にっぽん泥棒物語 [映画]

数日前,当ブログに訪問していただいている方の記事で山本薩夫監督の「にっぽん泥棒物語」を読み,興味をそそられました。

にっぽん泥棒物語.jpg


戦後間もないころの3つの鉄道をめぐる事件「三鷹事件」「下山事件」「松川事件」のうちの「松川事件」をモデルにした,泥棒を生業にする主人公の物語で1965年5月公開の東映作品です。

主人公:三国連太郎,その妻:佐久間良子,刑事:伊藤雄之助,泥棒仲間:江原真二郎,労働組合員・最初の裁判の被告人:鈴木瑞穂,弁護団長:加藤嘉,差戻審仙台高裁裁判官:永井智雄など出演者多士済々です。若い千葉真一が弁護士役で出演しているのが驚きです。

松川事件は,複数の文学作品や映画に登場するのですが,この映画では刑事に検察警察側のストーリーに沿うように半ば強要されます。そして,主人公は泥棒で前科4犯の過去を妻や子に知れることを恐れ口をつぐみますが……。

事件の夜,主人公(三国)と仲間(江原)の2人は,呉服屋の土蔵に盗みに入りますが,失敗して逃げる途中で福島訛りのない9人の男に出くわします。
検察・警察は地元の労働組合員3人を犯人として起訴したのですが,主人公と仲間の見た9人の男では筋書きが異なるわけです。

この映画が公開されたのが1965年5月,実際の松川事件の差戻審の無罪判決確定は1963年9月で,社会派映画で知られている山本薩夫としては,事件の社会性を前面に押し出した映画ではなく,史実を踏まえつつコメディ仕立てにした作品です(この映画では「杉山事件」となっている)。

無罪判決が出た後,広津和郎の「松川事件と裁判・検察官の論理」を読んだことがあり,この映画に興味を持ったのでした。
三国連太郎の演技が素晴らしい。母役:北林谷栄,妹役:緑魔子など懐かしい役者が多数出演しています。(アマゾンプライムビデオ)

明日23日から4連休とのことですが,天気は悪いしコロナ騒ぎで遠出はできないしで,困ったことです。
晴れ間をみて山を歩いてきますか?







nice!(0)  コメント(0) 

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:[必須]
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。