SSブログ

遺言 [仕事]

今日11月3日は文化の日。以前は,11月3日は晴れの特異日と言われていました。
しかし最近は,温暖化の影響かくっきりと晴れ渡った青い空というイメージはありません。
今日も今朝から雨,山歩きはあきらめ,文化に親しむか?少しばかり悶々としています。

今日は,久しぶりに仕事に関連する「遺言」について書くことにします。

遺言公正証書.jpg

昨日,以前からお客様から依頼されていた「公正証書遺言」を作成することのお手伝いをしました。
遺言は,生前,自分の遺産をどのようにするのか定めておくのかを文書で残しておき,後の紛争を防ぐ意味をもっており,法律上厳格な要件が定められております。
民法が規定する遺言は,①自筆証書遺言,②秘密証書遺言,③公正証書遺言がありますが,私は,公正証書遺言をお勧めしています。

①の自筆証書遺言も利用されていますが,ア)遺言書の全文のすべてを遺言者が自筆しなければいけない。イ)日付を記載しなければいけない。ウ)作成者の氏名を自署し押印しなければいけない。など,厳格に規定されており,遺言者が死亡したら,遺言書を発見した人が家庭裁判所から遺言書の検認を受けなければいけない。など,相続発生以後も,煩瑣な手続きが待っています。
そして,検認手続き上,法定相続人全員に裁判所から検認期日への呼び出し状が発せられ,相続発生から,遺言の実現まで長時間を要することになります。

私が③の公正証書遺言をお勧めする理由は,ア)遺言の内容を遺言者が公証人に口頭で話すだけでよい。イ)相続が発生した場合,公正証書により直ちに遺言内容を実現できる(検認の必要がない)。ウ)遺言書原本は公証役場に保管されているので,紛失の心配はない。などですが,費用がかかるので躊躇する人がおります。
しかし,遺言を残す人は,ある程度財産を有するでしょうから,こちらをお勧めします。

私が司法書士として考える最大のメリットは,①の自筆証書遺言の検認の際に法定相続人を証明する戸籍をすべて用意しなければならず,検認を申し出する人はこれらを集めるのに苦労するのに対し,③の公正証書遺言の場合は,あらかじめ,遺言者と相続人に指定された者との関係を証明する戸籍を提出すればよく,検認の必要がなく,受遺者にとっては,負担が少ないことです。
また,遺言者が病床にある場合など,公証人が遺言者の傍らで遺言内容を確認作成することもできます。
法務局に遺言を保管してもらう方法もありますが,そちらを考慮しても,是非,公正証書遺言をお勧めします。

私もそろそろ作成したいと考慮中です。残す財産も大したものではありませんが,遺族に煩瑣な負担をかけさせたくないので,私の戸籍と息子夫婦の戸籍,住民票さえあればそれで足ります。


今日は文化の日,忘れてはならないのが,現行日本国憲法の公布が1946年11月3日です。
憲法改正論議があるような,ないような昨今ですが,文化の日に,平和憲法をよく考えてみてもよいのではないでしょうか。






nice!(0)  コメント(0) 

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:[必須]
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。