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ブーレーズ三昧そしてオーディオ [音楽]

ゴールデンウィーク後半の1日目は朝から雨,眺望山に行かず,CDを聞くことにしました。
NHKラジオでたまに企画している,「今日は一日〇〇〇三昧」の真似をすると,さしずめ「今日は一日ブーレーズ三昧」でしょう。

2016年1月5日に亡くなったピエール・ブーレーズの3つのコンプリートセットを集中的に聞いてみます。いずれも,20世紀の偉大な作曲家の作品です。

◎1,ストラヴィンスキー
ブーレーズ/ストラヴィンスキー.jpg

◎2,ドビュッシー,ラヴェル
ブーレーズ/ラヴェル,ドビュッシー.png

◎3,バルトーク
ブーレーズ/バルトーク.jpg


ピエール・ブーレーズは,1925年フランス生まれの作曲家,指揮者ですが,2016年1月に亡くなりました。
私がブーレーズの名を知ったのは,彼がバイロイト音楽祭で「ニーベルングの指輪」を振ったころで,その後,ストラヴィンスキーの「春の祭典」やベルリオーズの「幻想」のLPを購入し,ファンになりました。

ブーレーズはその後ニューヨーク・フィルハーモニックの音楽監督を務めましたが,四十数年前,バーンスタインと共にニューヨーク・フィルを率いて来日した演奏会で,「春の祭典」を聞いています。
比較的小柄で指揮棒を持たないNHKホールの指揮ぶりが,今も目に焼き付いています。

改めてストラヴィンスキーを聞きなおしてみると,ダイナミズムとリリシズムが巧みに絡み合って比類稀な音楽を作っているのがわかります。創造と革新の結晶ではないでしょうか。
どの作品を聞いても同じ傾向はありません。特にこのCDセットには独唱,合唱曲が収録されているのでこれまで聞いたことのないストラヴィンスキーの世界に触れることができました。

ラヴェルとドビュッシーは,一聴して,ストラヴィンスキーやバルトークよりも耳に馴染みやすいと思われますが,それ以前の古典音楽と一線を画しています。
どの作品も素晴らしいのですが,例えば,ラヴェルのピアノ協奏曲ト調の出だしの鞭の音,このような曲があったでしょうか。そして左手のためのピアノ協奏曲,右手の使えない人のために書いた曲ですが,名曲です。

バルトークは,ハンガリーからアメリカに渡りアメリカで生涯を終えた作曲家です。
ヴァイオリンの奏法でバルトーク・ピチカートを考案したことでも知られています。
バルトークは,祖国ハンガリーの伝承音楽を基に曲を作っていますが,アメリカでの病気や生活を助けようと,クーセビツキーやフリッツ・ライナーが手を差し伸べたことでも有名です。
そのような中で作曲されたのが「管弦楽のための協奏曲」だと言われていますが,管弦楽のための曲では,ほかに「中国の不思議な役人」「弦楽器,打楽器とチェレスタのための音楽」が有名ですが,ピアノ協奏曲,ヴァイオリン協奏曲も緊張感とユーモアを併せ持った曲揃いです。
オペラ「青ひげ公の城」ではジェシー・ノーマンの立派な体躯から放たれる声は圧巻です。


音楽の世界で,20世紀の最高傑作は,バルトークの「管弦楽のための協奏曲」か,ストラヴィンスキーの「春の祭典」か,ということを言われることがあります。
いずれでしょうか?
音楽界に衝撃を与えたという点では,ストラヴィンスキーでしょう。
しかし,総合的管弦楽曲の見地からはバルトークと言えなくもありません。


今朝から雨になったので,朝からブーレーズ三昧の一日になりましたが,最近,新しいSACDプレーヤーを導入したので,体験的活用を報告させていただきます。

①オーディオは,音楽のしもべである。
若い頃からオーディオには興味があり,贅沢してきましたが,この年齢になってようやく到達した確信です。なんのそんなこと当たり前ではないかお叱りを受けそうですが,音楽無くして音響などあるものかと思いながら,毎日のようにCDやLPを聞いています。オーディオ偏重はいけません。
②音量について
最近,音量を少し上げて聞いています。カミさんと二人暮らしで,しかも,1階の事務室に隣接してオーディオ装置があるので,音量を上げても支障がありません。
少し音量を上げると,これまでわからなかった音が出てきます。これによって,曲の深さや広がりが見えてきて,納得させられることしばしです。
家族内で叱られないように道楽を楽しむようにしたいものです。

ゴールデンウィーク後半の初めに,雨のために自宅に籠って,好きなブーレーズの演奏について長くなりました。良い休日をお過ごしください。



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