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ベートーヴェン・ピアノ協奏曲4番,5番…③ [音楽]

三連休は,6,7日が雨と風,8日は,台風一過の青空が出て,眺望山トレッキングに出かけました。

秋の花がないので,記事は書きませんでしたが,休み中は時間があればベートーヴェンのピアノ協奏曲を聞いていました。
三人目は,クラウディオ・アラウです。
アラウのベートーヴェンピアノ協奏曲は,ベルリンの壁解放コンサートでレナード・バーンスタインと共演した4番に感銘を受けていましたから,いつか,今回の演奏を取り上げたいと思っていました。

ベートーヴェンのピアノ協奏曲は,なぜか,5番「皇帝」が先,4番がそのあとに配置されています。
皇帝が動的,4番が静的というか抒情性豊かだと私は感じています。

世間の評価は分かれているようで,4番を推すファンも多いようです。私もその一人です。
バックハウスの4番も定評があるようですが,何分録音が古いため音的にはアラウ盤を推すという評論家が多いようです。

今回のアラウの演奏は,コリン・デイヴィスの指揮,オーケストラはドレスデン・シュターツカペレ1984年11月15-23日(ドレスデン・聖ルカ協会)録音です。

クラウディオ・アラウ/ベートーヴェン・ピアノ協奏曲No4,5.jpg

1903年生まれのアラウ82歳の録音です。
私がしょっちゅう引用する宇野功芳氏は,バックハウスの衣鉢を継いだピアニストととしてアラウを評しており,大器晩成ぶりを指揮者の「ギュンター・ヴァント」に比しています。そして,その結実として,この録音を挙げているのです。

ピアニストは身体の動きか重要だと思いますが,ルービンシュタイン然り,アラウまた然り,技に磨きがかかり,しかも余計な飾りなどない音楽で聴く者を幸せに導いてくれるのですね。
アラウのCDも何度となく聞きましたが,5番も,4番もゆっくりとしていてたっぷりとベートーヴェンを聞かせてくれます。

4番のアラウの演奏は,静かに始まるこの曲を,ゆっくり,そしてかみしめるようにピアノの一音一音を重ねていきます。
老巨匠の奏でる抒情に何度聞いても飽きることはありません。

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