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マイルス・デイヴィス/リラクシン [夜明けのJazz]

今日から3月,高校の卒業式が始まります。
高校の卒業式,遠い夢の彼方になってしまいました。

3月最初の今朝の1枚は,先日来聞いてきたマイルス・デイヴィスのマラソン・セッションの締めくくり「リラクシン」です。
「四部作」の内,「クッキン」がないじゃないかと言われそうですが,かなり前に取り上げております。

マイルス/リラクシン.jpg

プレスティジ1956年5月11日,10月26日録音,マイルス・デイヴィスtp ジョン・コルトレーンts レッド・ガーランドp ポール・チェンバースb フィリー・ジョー・ジョーンズds

CBSに移籍する前にプレスティジとの契約で,4枚録音することになっていたのだそうですが,LP4枚分を実質2日で録音したのが四部作と言われるようになったのです。
4枚の中で,この「リラクシン」がベストワンだと評価される向きもありますが,4枚の演奏は,2日で録り終えた24曲を各LPに振り分けられています。

「リラクシン」で言えば,5曲目の「アイ・クッド・ハプン・トウ・ユウ」と6曲目の「ウディン・ユウ」は5月11日の録音,その他の4曲は10月26日の録音です。

他の3枚と違って,こちらの1枚は,曲間にマイルスとプロデューサーのボブ・ワインストックや他のメンバーの打ち合わせの声が随所で聞かれます。このことが,録音現場の臨場感を伝え,内容と共にLPの評価にも反映されているように思えます。

4曲目の「オレオ」は,ソニー・ロリンズの曲,6曲めの「ウディン・ユウ」ディジー・ガレスピーの曲ですが,収録曲を硬軟取り揃え,四部作がマイルス自身のハードバップ期の締めくくりになっているような気がします。
オレオは,滑らかなマイルスのミュートがロリンズ独特のリズムを見事に表現していますし,ウディン・ユウでは,ガレスピーがハイノートで吹きまくるところをミュートをはずして,少し抑え目に吹きます。

プレスティジでは,四部作を翌年から1年に1枚ずつ発売します。CBSに対する商業上の作戦だと言われていますが,この作戦が見事に当たったようです。
ちなみに,プレスティジLP番号では,「クッキン」7094 「リラクシン」7129 「ワーキン」7166 「スティーミン」7200となっており,この順で1957年からほぼ年1枚ずつ発売されたのです。 

私自身としては,4作を通じて,マイルスの文句ないミュートの威力を感じますが,レッド・ガーランドのピアノのうまさに脱帽です。そして,若きコルトレーンの未来を予兆するかのようなプレイに今更ながら納得するのです。


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