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東京日記①2019.3.17…ブルックナー交響曲8番 [東京日記]

年度末のあわただしい中,仕事に無頓着な老人は,遊びと食を求め東京に出かけました。

遊び(道楽)
昨年10月から,チケットの手配を裁判所での仕事仲間だったTさんにお願いし,待ちに待った「都響スペシャル」と銘打った「ブルックナー第8番」の演奏会です。

音楽は,麻薬か宗教のようなもので,とりわけ私にとって,ブルックナーは教祖のような存在です。
ヴァント,カラヤン,マタチッチなど老巨匠のCDを時間のあるごとに聞いています。
いずれも80歳をとうに過ぎての録音で,老境に入ってからのエネルギーは凄まじいものがあります。
ブルックナーと言えば80分を超える長大な曲がほとんどですが,老巨匠たちのエネルギーに満ちた指揮ぶりの源は何なのでしょう。私が傾倒するのは,ブルックナーの曲の持つエネルギーなのかもしれません。

今回の演奏会の指揮は,老匠エリアフ・インバル,彼もまた80歳を超えた,特にマーラーの指揮で数々の賞を受けている闘将とも言えるイスラエル出身の名指揮者です。

午後2時開演のサントリー・ホール
サントリーホール.jpg

半年待ったブルックナーの第8をエリアフ・インバルの指揮で聞きます。
ブルックナーの交響曲は,何度も改訂が行われていますが,当日は1890年ノヴァク:第2稿・1890年版ということでした。
私の持っているヴァント,カラヤンのCDは,1890年ハース版第2稿です。ヴァントは2枚組で89分,カラヤンが85分,今回の演奏は80分でした。
休憩なしのオーケストラ,指揮者渾身の80分でした。
エリアフ・インバル2.pngエリアフ・インバル1.jpg

寄せては返す大海のようなとは,私がブルックナーの交響曲を表現する,毎回同じ言い方ですが,4番(ロマンティック),7番,8番,いずれも私の経典のようなものです。
老巨匠の指揮は軽快に感じられました。
汗を拭きながら指揮するマタチッチの姿が焼き付いていますが,インバルの指揮ぶりは対照的でした。
8番のライヴは,この曲のフィナーレの構成から,盛り上がること必然です。この日ももちろん聴衆の熱狂状態がありました。これがCDで聞くことの違いですね。

いつまでも続く拍手の嵐に楽員が去っても,老巨匠は,一人でステージに呼び戻されました。
半年待ったブルックナーの8番でした。





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