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チェンジリング [映画]

もう2,3週間で野山に出かけることになる。
もう雪の心配はないだろう。
12月,雪で滑って足首を痛めて以来,運動は避けてきたがもう大丈夫だ。

この冬は,そのような訳で,外に出ず,休日は仕事の準備をし,音楽を聞き,本を読み,映画を観た。
最近はクリント・イーストウッド監督作品を集中的に見ている。
24日の日曜日もイーストウッド作品をみた。

主演アンジェリーナ・ジョリー,製作・監督・音楽クリント・イーストウッド「チェンジリング」。
1928年,大恐慌前夜のロサンゼルスで起きた実話に基づくものだ。
母親が誘拐された息子の生還を祈り,腐敗した警察権力に立ち向かう。母をアンジェリーナ・ジョリーが演ずる。

シングルマザーに育てられた少年が,突然,行方不明になるが,警察が母の願いを真剣に受け止めてくれない。
その5か月後,警察から少年を見つけたという連絡を受け,駅に迎えに行くとわが子と違っていた。
身長が7センチも低い。あくまでも自分の子でないと食い下がる母を,偏執狂として強制的に精神病院に送るのである。

アンジェリーナ・ジョリーの意志の強さが画面に溢れている。
サスペンス映画?が,後半,法廷劇に転ずるとホッとする。

警察ファシズム,猟奇的殺人,法廷ドラマ,複雑に入り組んだ息をつかせないストーリーだ。

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アンジェリーナ・ジョリーは,大会社の電話交換手のリーダーである。彼女はローラースケートで交換室を動き回っている。アメリカの合理主義か。

警察が権力を持ってはいけない。


今週で3月は終る。忙しい日々が待っている。






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映画「アンストッパブル」 [映画]

春の嵐が通り過ぎ,今日は気温が上がるらしい。
この冬は,繰り返し嵐に見舞われた。そして,昨日は震災から2年,あの時パソコンに向っていた。
長い長い揺れのあとに突然電気が止まった。翌朝8時までラジオと蝋燭の一夜だった。
原発や震災の被害はいつまで続くのか。

嵐の日曜は,映画にした。
2010年トニー・スコット監督作品,デンゼル・ワシントン主演の「アンストッパブル」
トニー・スコットの遺作である。

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有毒化学物質を積載した無人の貨物列車が暴走する。ベテランの機関士と新米の車掌が別の機関車で暴走列車を止めようとする。
その長さ800メートルに及ぶ貨物列車の暴走は,一人の操車場機関士の怠惰から始まった。
暴走・パニック映画はあまり見ないが,トニー・スコット監督の遺作ということでDVDを借りた。

スピードあふれるスリリングな展開は,昔見た西部劇を思い出す。
幌馬車とインディアンの追いつ追われつ,カットバックの技法である。


嵐の夜,店じまいの帰りに,なじみの「はた善」の親方が転倒して大けがをしたらしい。
しばらく,親方と料理に会えない。







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映画「ヒアアフター」 [映画]

例年だと,高校の卒業式の頃には,道路には雪がない。
さすがに,幹線道路には雪はないが,生活道路の両側は除雪された雪の壁ができている。
昨日6日(水)は全国的に暖かく,青森も8度まで上昇した。今週いっぱいは暖かいらしい。

ヒア アフター(HEREAFTER)とは,彼岸のことらしい。
2010年,クリント・イーストウッド監督作品。イーストウッド作品にはずれなしとは,まったくそのとおりだと,この映画を観ても実感である。

イーストウッドの映像は,ある時には観る者を突き離し,そして予期しない感動へと導くものだと,勝手にそう思い込んでいた。
しかし,この映画はあくまでも抒情的であり,幻想的な映画である。

大津波に呑み込まれ臨死体験をする有名女性キャスター,双子の兄を交通事故で失った少年,霊能者であることから逃れようとしている男(マット・デイモン)の三人を,観る者は,この三人がどのように関わり合うことになるのかと思いながら観ている。
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臨死体験,霊能者といってもホラーでもなく,SF映画でもない。いわば恋愛映画のようでもある。

イーストウッドのこの映画の前作「インビクタス 負けざる者たち」もマット・デイモンが主役だったが,若いころから現在及びこれからも,ずっと,観続けていきたい役者である。

3月11日の大震災が起こる前年の作品である。観たあと,どこか安堵している。





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映画「愛の勝利を ムッソリーニを愛した女」 [映画]

もう大して降るまいと思っていた矢先,一夜に30㎝も降った。
今日は穏やかで,最高気温+5度の予報,これで穏やかに3月を迎えたい。

1週間前の3連休に映画を3本観たが,グラン・トリノの感想を書いただけにしていた。
今日は」「愛の勝利を ムッソリーニを愛した女」を紹介する。

ムッソリーニがファシストとしてイタリアに君臨しようとする矢先,主人公の女性が彼の姿にひとめぼれするのである。
ナチ同様に,イタリアファシズムも強烈なアジテーションによって,群衆を酔わせる。
日本の軍部も同じだ。
ムッソリーニの政治活動に全財産を投げ打ち身も捧げるが,男の子が生まれ愛人は棄てられる。

子が成長するころから,ムッソリーニは実写フィルムとなる。そして長男はかつてのムッソリーニの二役で登場する。

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イタリア2009年マルコ・ベッキオ監督作品。演技にも映像にも強烈な印象が残る。


弁舌には注意をしなければいけない。


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グラン・トリノ [映画]

家族にも疎まれている気難しい老人が,隣家に住むアジア系姉弟との交流で,次第に暖かい心を取り戻していく。老人の男の生き様が心に響く。

3連休は,音楽と映画三昧で過ごした。
映画は,蓮實重彦先生が評を書いている3作品のDVDをレンタルしたのだが,その内の1作。
クリント・イーストウッド監督主演,イーストウッド作品に,はずれなしというがそのとおりだ。
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イーストウッド演ずる偏狭な老人を見て,ひょっとして小生もそうなるかな?という思いもあるが,彼ほどの正義と愛国魂はない。
現在のアメリカ社会を少し垣間見る気がする。

車音痴の小生には,グラン・トリノはイタリア北部の地名に因む話かと思ったら,グラントリノはフォードの名車であった。
フロントグリルを見るとマスタングを思い浮かべた。
このカッコいい車に,町のアジア系少年ギャングが目をつけるのが伏線になっている。

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「グラン・トリノ」のほか,ジェームズ・マンゴールド監督「ナイト&デイ」,マルコ・ベッキオ監督「愛の勝利を ムッソリーニを愛した女」の2作品を観たが,三者三様楽しめた。
他の2作品は後日にする。グラン・トリノを最初にしたのは,それほど感銘を受けたからだ。
カミさんは,ケーブルテレビでとっくに観ていたようだ。

今日の青森は曇っているが雪は降っていない。


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身につまされる [映画]

昨夜から今朝まで30センチ以上降ったのではないか。
今日は祖父の命日。確か昭和47年1月10日,非常に雪の少なかった年で,埋骨の時に墓地には雪がなかった。友人は,スパイクタイヤを夏タイヤに戻したほどだった。

今年とはえらい違いである。大工の棟梁だった祖父によくかわいがってもらった。岩木川の土手で凧揚げなどの記憶がある。今夜は,大酒飲みだった祖父を思い出し,ワインを少し飲んだ。

今朝NHk・TVで映画監督の山田洋次さんのインタビューを見ていると,山田監督の抱負は,「観客が身につまされて,やさしい気持ちになれるような映画」を作りたいと言っていた。
この言葉を聞いて思わずうなってしまった。

昨年のトピックスに書いた「パリ・テキサス」も「トウキョウソナタ」もそうだったなと,巨匠のことばに思わず頷いていた。

日中忙しかったので,今朝の感慨を,夜11時前に書いている。





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パリ,テキサス [映画]

知らなかったとは,なさけない。これまで見た映画の中で,5本の指に入るくらいの感動作だった。

ヴィム・ヴェンダース監督の「パリ・テキサス」を観た。
音楽がライクーダー,映画全編にライ・クーダーのスライドギターが流れている。
ほとんどすべてのバックに流れている。この映画のあと「ブエナヴィスタ・ソシアルクラブ」を撮ったらしい。

4年間放浪の旅に出ていた父親が息子のもとに帰り,息子と共に母親を探すため,カリフォルニアからヒューストンに旅をする話である。

母親役は,ナスターシア・キンスキー。息をのむような美人である。

主人公トラヴィスとその妻(ナスターシア・キンスキー)との会話に打たれた。

パリ・テキサス.jpg


日曜の夜,映画に引き込まれた。



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オデッサ・ファイル [映画]

今日でゴールデン・ウィークは終わり,明日から1週間が始まります。
3日からの休日は雨続きで遠くには出かけませんでした。

連休最後の日は,アメリカ映画「オデッサ・ファイル」,フォーサイス原作の映画です。あの「ジャッカルの日」の次に映画化された作品です。
ジャッカルの日は,極右勢力がド・ゴールを狙う物語ですが,「オデッサ・ファイル」は,ナチの残党が戦後ドイツに勢力を拡大しつつ国際的にもアラブと組みイスラエル攻撃を画策することを背景に描かれています。

この映画は,随分前に観たのですが,今朝の日経の日曜版で,「ナチ戦争犯罪人を追え(ガイ・ウォルターズ)」新刊紹介を読んで,もう一度見る気になったのでした(大分忘れていました)。ジョン・ボイト主演1974年作品
ジョン・ボイトといえば「チャンプ」を見ました。
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第2次大戦末期,ドイツの敗戦は必至ということを察知したナチスの一部将校たちは国外に逃亡し,ナチ狩りから逃れ,そして,たとえば南米などに安住の地として逃げ,その地で指南役として彼らが保護されたようです。
また,逃亡費用などは虐殺されたユダヤ人の財産を資金源にしたようです。

映画でも,このような事情が描かれています。
今でも,ヨーロッパでは,ネオナチのニュースを耳にしますし,この映画や小説に書かれている状況は底流として存在するのではないでしょうか。

フォーサイスは,この作品の発表に際して何度も脅迫にあったようです。

この休日中,もう1本,「顔のないスパイ(リチャード・ギア主演)」を劇場で観ましたが,つまらない映画でした。
ル・カレやフリーマントルの作品が懐かしい。最早,冷戦の時代ではないので,スパイははやらないのか?


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幕末太陽傳 [映画]

台風のような一夜が明けました。
夜11時ころから風が強くなり,朝6時頃には風が少し弱くなりましたが日中は風雨が残りそうです。

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NHK-BSで川島雄三監督の代表作「幕末太陽傳」を観ました。
川島監督は,青森県むつ市の人。毎年,川島忌がむつ市で行われています。

脚本が川島監督のほか,今村昌平,音楽:黛敏郎,監督助手:浦山桐郎
キャスト:フランキー堺,左幸子,南田洋子,石原裕次郎,金子信雄,山岡久乃,小沢昭一,芦川いづみなど,往年の名優が掲げきれない。

何分昭和32年の作品なので,映画を見ても,何という俳優かにわかにピントきません。
落語「居残り佐平次」が下書きですが,映画の最初の場面は,昭和30年代の品川の風景から始まります。
寺山修司の「田園に死す」の終わり,新宿の街頭の脇で,主人公と母親がご飯を食べているシーンを連想しました。

何と言ってもフランキー堺が素晴らしい。そして,左幸子と南田洋子のつかみあいの喧嘩には目を瞠りました。
これに比べると,石原裕次郎,小林旭,二谷英明の芝居はいただけません。

以前から見たいと思っていた映画でした。
スタッフ,キャストとも空前絶後の豪華版で,当時の日活の大盤振る舞いだったのでしょう。

2011年,ディジタル修復版が公開されています。
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トウキョウソナタ [映画]

昨日は雨の土曜日,黒沢清監督作品「トウキョウソナタ」を観ました。
2008年の映画,小泉今日子,香川照之,役所公司ほか。
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親子4人の家族の物語。4人の家族それぞれが秘密を持ち,崩壊寸前の家族に光が見えてくるという話です。
この映画を観ていて,このまま親子4人がばらばらになってはいけないと思わせるところが,この作品のなみなみならぬところです。黒沢監督の実力を思い知らされました。

もう一つ,小泉今日子が素晴らしい。
いまや,かつての「キョンキョン」ではない。演技派の女優になりました。
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この映画のラストは,小学6年の2男の弾くドビュッシーの「月の光」の演奏です。
この家族に未来があるぞと,ホッとさせるフィナーレです。


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