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チャールズ・ミンガス/直立猿人 [ポートレイト・イン・ジャズ]

今日は金曜日,6月中旬というのに晴れて暑い日が続いています。梅雨入りが気になっていますが,まだその気配がありません。

和田・村上版「ポートレイト・イン・ジャズ」に書かれているジャズメンのLP・CDを聞いています。
今日は,チャールズ・ミンガスの「直立猿人」です。
村上さんはこのLPの中の「フォギーデイ」を取り上げています。
「フォギーデイ」は,ジャズヴォーカルの定番のような曲ですが,ミンガスが演奏することに違和感があるか,むしろ,自己主張の手段に使用したのかもしれません。

直立猿人.jpg
徹頭徹尾,自己主張を聞かせてくる,それがミンガスの音楽なのだと思います。
ミンガス・ミュージックの濃縮ジュースという人もおります。

このほかに私が持っているLPでは,「ミンガス・プレゼンツ・ミンガス」も,共演者も良いし,ミンガスの社会に対する主張が聞こえてきて面白い。他には,「黒い聖者と罪ある女」昔,若いころに購入したLPですが,主流派ではないものに対する共感があったのかもしれません。

ミンガス・プレゼンツ・ミンガス.jpg
黒い聖者と罪ある女.jpg


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アニタ・オデイ/アニタ・シングス・ザ・モスト [ポートレイト・イン・ジャズ]

村上・和田版「ポートレイト・イン・ジャズ」の中で,村上さんが使用しているオーディオ装置について書いています。
古くて大きなJBLのバックロードホーンを使用しているらしい。私の20代の頃,JBLばやりであった。オーディオ専門店の商品展示を兼ねたレコード・コンサートでもJBLが幅を利かせていた。
その中でも,38㎝のスピーカー2本のバックロードホーンが偉容を誇っていたものです。
村上さんの聞いている音が,なんとなくわかる気がします。
私は,JBLではなく,ずうっとアルテックでジャズ,クラシックを聞いています。

今日は,アニタ・オデイを聞くことしました。
生のアニタを聞く機会がありましたが,圧倒的なアニタの歌唱の迫力にノックアウトされました。

ニューポート・ジャズフェスティバルのドキュメンタリー映画「真夏の夜のジャズ」でアニタ・オデイとジェリー・マリガンの大熱演が今も私の脳裏に焼き付いています。
村上さんもこの映画に触れており,「スウィート・ジョージア・ブラウン」を取り上げています。
アニタの真っ向勝負のストレートのようなまじめさが伝わってきます。

LPで村上さんが挙げているのは「ミスター・ケリーズ」ですが,残念ながら簡単には入手できません。私が持っているのは「アニタ・シングス・ザ・モスト」です。

アニタ・シングス・ザ・モスト.jpgアニタ・オデイ/アット・ミスター・ケリイズ.jpg

本文のミスター・ケリーズの写真を見ると,ジャケットの端にこすれて欠けている部分があります。繰り返し聞いたものとみえます。
LPでも唯一無二のアニタに触れることができますが,私は今も,「真夏の夜のジャズ」のアニタこそアニタ・オデイの最大の傑作と疑いません。

「スウィート・ジョージア・ブラウン」と「ティー・フォー・トゥー」アニタの歌と共にその姿を是非ご覧になってください。https://youtu.be/9mu7zF7RcuE
数十年前のアメリカのファッションを見ることができます。



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ビル・エヴァンス/ワルツ・フォー・デビー [ポートレイト・イン・ジャズ]

5月中頃から山歩きばかりしていたので,久しぶりのポートレイト・イン・ジャズです。

私は今の仕事に就く前,公務員生活をおくっていましたが,最後の2年間,青森市から八戸市に東北本線の特急列車で通勤しておりました。
行きかえりの2時間,ウォークマンで音楽を聞きながら本を読んでいましたが,おそらく一番多く聞いたのがビル・エヴァンス・トリオの「ワルツ・フォー・デビー」とグレン・グールドの「ブラームス・間奏曲集」だったでしょう。

ワルツ・フォー・デビー.jpg
ビル・エヴァンスp スコット・ラファロb ポール・モチアンds リヴァーサイド 

電車の中で聞くといっても,朝の通勤時は,半分は眠りの友だったかもしれません。

「ワルツ・フォー・デビー」は,日常的に,テレビのBGにも使われているのでジャズの愛好者でなくとも耳にしているはずです。
村上さんは,このLPのどの曲も素晴らしいけれどと前置きしながら「マイ・フーリッシュ・ハート」を挙げています。

私もこの曲を聞くときは,LPに針を下ろします。
唯一無二のスコット・ラファロのベースとのコンビネーションがジャズの深淵にいざなってくれるのです。




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スタンゲッツ [ポートレイト・イン・ジャズ]

ゴールデンウィークの端の週末です。2日ほどで週末になりました。

しばらく山を歩いておりましたので,今日は,和田・村上版「ポートレイト・イン・ジャズ」の中から,スタン・ゲッツを聞きましょう。

村上さんはスタン・ゲッツこそジャズであったと言っています。
村上さんが取り上げているLPは,ボストンのジャズクラブ「ストーリーヴィル」におけるライブ録音の2枚です。
現在,LP2枚がCD1枚に収まっています。

スタン・ゲッツ/ストーリーヴィル.jpg
スタン・ゲッツts アル・ヘイグp ジミー・レイニーg テディ・コティックb タイニー・カーンds 1951.10.28録音

このCD最初の演奏から最後まで,どこを切り取ってもジャズが詰まっています。
リズムセクションとスタン・ゲッツのテナーが手を抜くことなく,入魂のジャズを聞かせてくれます。村上さん推薦の「ムーヴ」は,わけても圧巻です。

スタン・ゲッツのテナーサックスに甘ったるい感傷など爪の先ほどもない。






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ビリー・ホリデイ [ポートレイト・イン・ジャズ]

北国の桜はもう散り始めました。
あっという間の桜です。

和田誠・村上春樹版「ポートレイト・イン・ジャズ」を徹底的に聞いていこうという私の試み,今回はビリー・ホリデイにしました。

新潮文庫版はボロボロになったため2冊目を買いましたが,文庫版だけでは飽き足らず,単行本2冊も買いました。何よりも,和田さんの絵がいいからです。
単行本の表紙カバーが素晴らしい。

表紙カバーのおもて面「エリントン」裏面「ビリー・ホリデイ(この絵がCDジャケットになっている)
ポートレイトインジャズ1.jpgビリーホリデイ.jpg

村上さんは,1930年代のビリー・ホリデイのレスター・ヤングとの共演盤を取り上げています。
後年,麻薬の常習により,声がボロボロになってからの録音について,聞く機会が増えてきたと書いています。私は,晩年の「レディ・イン・サテン(CBS)」を好んでいます。この世の喧騒から解き放たれたかのような,オーケストラをバックにした悟りのようなものを感じるからです。

村上さんのような12インチ盤など入手できるはずもなく,和田・村上版に迫る私の音源は,CBSのコンピレーションCD「ビリー・ホリデイ+レスター・ヤングー a musical romance」です。
このCDは,CBSの音源の中からビリー・ホリデイがレスター・ヤングと共演している16曲を集めたもので,その中に,村上さんが本の中で迷わず挙げている「君微笑めば」が入っています。

コンピレーションCDに入っている他の曲もいいものばかりですが,「君微笑めば」は,とびっきり明るく,レスター・ヤングのテナーに歌い返すのです。

ビリーホリデイ+レスターヤング.jpg

村上さんは,「あなたが微笑めば,世界そのものが微笑む」とビリーの歌唱を訳していますが,レスター・ヤングのソロも絶賛しています。
このような二人は夫婦だったのですから。

アメリカ・コロンビア時代のコンプリートCD「LedyDay」10枚には1933年から1944年のCBS音源が収録されており,もちろん,今回の演奏も入っています。

レディデイ(ビリーホリデイ).jpg

ヴァーヴの最晩年の録音は,妙に音が明瞭でどこか,しっくりこないのはなぜでしょう。
30年代のビリーに魅了され続けているからでしょうか。

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キャブ・キャロウェイ [ポートレイト・イン・ジャズ]

青森でも桜の開花宣言です。

映画「ブルース・ブラザーズ」をご覧になった方は,立派な体躯と存在感のある姿をご覧になったでしょう。
今回のポートレート・イン・ジャズは,村上さんもその「ブルース・ブラザーズ」に言及しているキャブ・キャロウェイです。

私がキャブ・キャロウェイの姿を映像で見るのは初めてでした。
かつて,コッポラ監督の映画「コットン・クラブ」にデューク・エリントンやキャブ・キャロウェイの実名が出ていました(俳優が演じていた。)。ちなみに,この映画の主役のモデルは,文庫版のカバーに描かれている,コルネット奏者のビックス・バイダーベックと言われています。

1930年代のアメリカで,甲高く他にまねのできない熱唱に人気があったのですが,村上さんはブルース・ブラザーズでの彼を怪唱と言っています。

ガーシュインは,オペラ「ポーギーとベス」で,キャブ・キャロウェイをモデルにした「スポーティング・ライフ」というキャラクターを作り,キャブ・キャロウェイが出演したようです。
スウィングの時代,キャブは,自身のバックバンドを持ち絶大な人気を博していました。

たまたま,私の持っている,当時のビッグバンドのテーマ音楽を集めた「ビッグバンド・ヒットパレード」というCDに,キャブ・キャロウェイの歌う「St.James・Infirmary」が入っており,この曲こそポギーとベスのキャブ・キャロウェイが舞台で歌ったものでした。
スイングの時代のスターの歌声が,後年ディジタルで録音されていることに感慨深いものがあります。
このCDは,シンシナティ交響楽団に,レイ・ブラウン,ジェリー・マリガン,デイヴ・ブルーベック,ドク・セベリンセンなど多数のジャズプレイヤーが加わっています。

エリック・カンゼル ビッグ・バンド・テーマ集.jpg

あの甲高い一種異様な声から,小柄なイメージを抱いていましたが,ブルース・ブラザーズで巨体ぶりを知りました。ブルースブラザーズ2000にはキャブの姿はありませんでした。亡くなった後の製作でしたね。

人気絶頂期のキャブ・キャロウェイ「ミニー・ザ・ミューチャー」で彼の熱唱をどうぞ!晩年の姿も見ることができます。
https://youtu.be/8mq4UT4VnbE




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ジャッキー&ロイ [ポートレイト・イン・ジャズ]

四月の雪です。
西高東低の気圧配置で,北海道と東北北部の日本海側に雪が降ったようです。寒い日です。

和田誠・村上春樹版「ポートレイト・イン・ジャズ」で取り上げているジャズプレイヤーを,この本で取り上げている演奏で聞いてみることにしましたが,最初のプレイヤーは,「ジャッキー&ロイ」にしました。

2週間ほど前の土曜の午前,NHK・FM「ゴンチチ・世界の快適ミュージック」で「ジャッキー&ロイ」を聞いて,洒落ていて,男声と女声がピタリとマッチして一分の隙のない歌声に魅了されました。
そのことから,思い出して,ボロボロの「和田誠・村上春樹版「ポートレイト・イン・ジャズ」」を見てみると,最後の方に出ているではありませんか。

村上さんが所蔵して聞いていたのは,12インチ盤LPですから,もちろん手に入りません。
ジャッキー&ロイ.jpg

このLPは,1955,1956年にアメリカ・ボストンに本拠地のあった「ストーリーヴィル」レーベルが録音したものですが,現在,その当時録音したLP2枚をCD1枚で発売されていました。
コンプリート「ジャッキー&ロイ」.jpg

夫婦の息の合ったヴォーカルと夫ロイ・クラールのピアノも絶品です。そして,バックのドラム,ベースが小気味よい。

村上さんは,「初々しさと音楽的成熟がうまい具合にとけあって,質は高いが肩の凝らない,大人のための音楽がここにある。」と書いています。


新潮文庫版「ポートレイト・イン・ジャズ」は単行本2冊を1冊にまとめたものですが,単行本2冊目の最後が,今回の「ジャッキー&ロイ」です。新潮文庫では,「ジャッキー&ロイ」の次に,「アート・ペッパー」「フランク・シナトラ」「ギル・エヴァンス」の3人がボーナス・トラックとして加えられています。音楽ファンとしては,ボーナス・トラックの用語がウィットにあふれてうれしい。

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ポートレイト・イン・ジャズ<和田誠・村上春樹>新潮文庫 [ポートレイト・イン・ジャズ]

しばらく「夜明けのJazz」として,私が所有しているLPを中心にジャズを紹介してきましたが,最近,和田・村上版「ポートレイト・イン・ジャズ」にあるLP・CDを聞く機会があったので,この本に載っているジャズ・プレイヤー,歌手を聞きたいと思っています。

ポートレイトインジャズ(和田・村上).png

「ポートレイト・イン・ジャズ」と言えば,ジャズの愛好者はおそらく,ビル・エヴァンスのリバーサイド・レーベルの録音を思い浮かべるでしょう。
若くして夭折したベーシストのスコット・ラファロと共演したもので,ビル・エヴァンスの代表的名盤としてて定評のあるものです。
ポートレイトインジャズ(ビルエヴァンス).jpg

この本は,和田誠のジャズ・メンを描いた絵を見た村上春樹が,これに文章をつけようとしたところから始まったようです。
文庫版の方は,二つの単行本が出版されたのち,その二つを1冊の文庫本にしたものです。
したがって,文庫本には前書きが二つあり,後書きも二つあります。いずれにも,お二人のジャズを愛する気持ちがあふれています。

前書きで村上春樹は次のように書いています。「ここに取り上げられたミュージシャンについて,僕と意見が合わなかったとしても,それについてあまり深く考えないようにしていただきたい。僕はただ楽しんで音楽を聞いて,楽しんで文章を書いていただけなのです。もし,ものごとがうまく運んで,僕が感じている巣穴の温もりのようなものを,あなたに感じていただくことができたとすれば,それにまさる悦びはありません。」と。

私は,公務員時代最後の2年間,自宅のある青森市から勤務地の八戸市まで東北本線の特急列車で通勤していましたが,私のバッグには,ソニーの音楽プレーヤーと文庫本「ポートレイト・イン・ジャズ」がいつも入っていました。
八戸市の行き帰り,ジャズやクラシックを聞き,文庫本を読んだのですが,ついには,文庫本の表紙がとれボロボロになってしまいました。

文庫本を新たに買いなおしたのを機に,この本に取り上げられているジャズ・プレイヤーの録音を聞いていこうと思い立ったのです。
本で取り上げているプレイヤーには,村上春樹の思いのこもったLPの写真1枚が掲載されていますが,私にもほんの少しは保有しているものもあります。ほかはCDやコンプリート盤でご勘弁ということになります。

文庫本のブックカバーの絵はビックス・バイダーベック(コルネット奏者)です。禁酒法時代のプレイヤーですから,あまり聞く機会がありませんが,このようなプレーヤーにも光を当てているこの本の魅力がここにあります。


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