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声と言葉 [音楽]

土砂降りの音で目が覚め,浅田次郎の新聞小説を読みながら,NHK・BS「クラシック倶楽部」を聞いていた。
今朝は,男声四重唱「IL DEVU」のピアノ伴奏による小品のリサイタル。
女声や混成合唱は聞く機会があるが,このような編成を聞くことは最近ではないような気がする。

昔でいえばダークダックスの編成だが,身体に溶け込んでくるような音,そして,意味のわかる言葉に素直に感動できる。
モーツァルトやパレストリーナのような古典からダニー・ボーイ,おぼろ月夜など引き込まれるように聞きとおした。
ロマンチストの豚やさびしいカシの木,やなせたかしの詩も頷きながら聞いた。
わかりあえる言葉と演奏者の表情に拍手喝采。小生も朝から表情が緩んだかな?


男声と言えば,先日,ドイツの世界的バリトン歌手「ディートリッヒ・フィッシャー・ディースカウ」氏が85歳で亡くなった。
100年に一人出るかどうかの名歌手と言われている。古いレコードを聞くと,名演奏と言われる録音には名前を見ないほうが珍しい。
フルトヴェングラーの録音や小生の愛好しているカール・リヒターのヨハネやマタイなど枚挙にいとまがない。

シューベルトの歌曲もしかり,最近,FMでは回顧番組も何回か放送しており,「野ばら」を聞いて,その歌声に絶句した。声,表現。言葉がわからなくとも感情が伝わってくるものもある。
フルトヴェングラーと共演しているのだからかなりの年齢だろうと思っていたが,まだ85歳,世紀のバリトン歌手である。

普段は歌ものは聞くことが少ないが,IL DEVUの心和む歌声に引き込まれ,不世出のバリトンを思い出した。
5月の終わり,声と言葉で気持ちが豊かになったような気がした。そして,まるめろの蕾が陽に照らされていたのでもうワンショット。
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