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東京日記2…その2 [くらし]

今日の青森は,昼ごろから曇ってきた。最高気温+9度の予報。だんだん悪くなるらしい。

今回の上京の目的は,N響定期公演であった。
息子が東京で大学生活を送るようになり,東京に出ることが億劫ではなくなった。

春のシーズンのプログラムを調べ,是非今回の「エロイカ」に」出かけることにした。
ブロムシュテット(指揮),ルドルフ・ブフビンダー(ピアノ)で,ベートーヴェンのピアノ協奏曲5番「皇帝」と交響曲3番「エロイカ」である。
私は「エロイカ」が大好きということからチケットを申し込んだが,発売の2日後には指定席完売という状況だった。やむなく3階の自由席をとった。1500円の席である。価格は安いが,音は悪くない。
4月17日午後3時からNHKホール,30年ぶりか。かつて,ニューヨーク・フィル,シカゴ交響楽団を聴いた。

①皇帝
構成ががっちりしたピアノ協奏曲としては,ベートーヴェンかブラームスだろうか。
今回の演奏,ブフビンダーのピアノは,繊細にして力強い好演だった。昔聴いたバックハウスとも違う。ルービンシュタインも良いらしいので是非聴きたい。

②エロイカ
私は,この曲の第3,4楽章が大好きだ。
この曲ではホルンが3本使用される。一般的には2本である。3本のホルンが,狩の角笛よろしく大地を駆けていくことを想像させる。フルート,オーボエも活躍する。
曲が終わると同時に拍手と歓声が鳴り止まない中,ブロムシュテットは指揮台から降りると3人のホルン奏者に両手を差し伸べ力演を讃えた。そして,コンサートマスターの堀正文の両手を撫で回した(驚いた)。
エロイカが大好きで,フルトヴェングラーとフリッチャイのレコード・CDを10枚ほど持っているが,いつ聴いても3,4楽章はワクワクする。
ベルリンフィル/ジュビリーコンサート(DVD)では,この曲の指揮を終えたカラヤンが,名演奏者達に投げキッスを送った。
演奏者にとっても,この曲は胸踊るものらしい。

◎ショッピング
2日目はさしたる予定もないので,ホテルで新聞4紙を読み,少し1Q84を読む。
9時半にチェックアウトし,東西線で「日本橋丸善」に。万年筆,文房具特に万年筆用インクを時間をかけて見て回った。ご婦人たちの時間をかけたショッピングの気持ちがよくわかる。
色鮮やかなブルーのインクが欲しかったが,次にした。丸善では「葉巻」やらウィスキー用の容器,ネクタイなどのの衣料品その他,およそ書店,文具店に置いていないものまで揃っている。

「白川静読本」を買った。襷には「日本を代表する47人による,その魅力と魔力の解明」とある。うまい文句だ。
立花隆が「私の読書日記」を寄せているが,その中の,「先史時代,白川静,ワグナー」の項に,「字を書く人,字を読む人なら,白川静の3部作(いずれも平凡社)「字統」「字訓」「字通」のうち,少なくも「字統」の1冊くらいは座右において欲しいと思う。」と書いている。辛うじて「字統」は持っていた。

「誤りを正当として生きなければならぬという時代を,私は恥ずべきことだと思う。(字統序文)」
反骨の漢字学者である。

立花隆は,ワグナーはあまり好きではないらしい。私も好んで聴くことはないので,ほっとした。
ワグナーは,極端な反ユダヤ主義の人である。
メンデルスゾーンが一時ヨーロッパから忘れ去られたのも,このような風潮からだろう。
midoriさんからじっくり拝聴したい。

この後銀座に出て,手紙用ゴム印,のしなしの慶弔用袋を買い,昼食。

時間は前後するが,前回買えなかった「鎌倉シャツ」ストライプのボタンダウンを2枚購入した。
ピンクもあったが,ブルー系にした。それでも,公務員時代よりも少しは若向きか。

◎帰路
今回の小旅行は,途中,白い雪の中に桜並木を見る,初めての不思議な光景を目にしたが,良い演奏を聴き,良い本にめぐり会った。

2年生になった息子は,明日は20歳。
父を行きたいところまで連れて行くようになり,もう大人である。

それとなく大人の息子を感じた旅だった。

これからは,いつでも,音楽,美術鑑賞のために上京できる。



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コメント 4

jun

今晩は!
花曇りの一日でした、
畑に植えた胡瓜の苗・トマトの苗・がこのところの寒さで
クシュとなり仕事の合間に新しい苗に植え替えてきました。


趣味の音楽・本・ショッピングの感想は別の日に!!

この旅行での一番は
「それとなく大人の息子を感じた旅だった」に全部集約され
息子さんが20歳の立派な大人に育っていく様子が
わかり感激しました。

by jun (2010-04-19 22:37) 

hitoshi

こんばんは!
青森は,明日は少し気温が上がるようです。
今週末には桜前線到来のようです。

先日の寒さでは,畑に植えた苗にも痛手だったでしょう。

親としては,なんとか一人立ちする日まで働きますが,まだまだ月日がかかります。その間,たびたび東京に足を運ぶことになるでしょう。
楽しみを兼ねてです。

マンション14階からの富士山は,どこか幻想的ですね。
下界からとは違った趣があります。

それでは!


by hitoshi (2010-04-19 23:14) 

jun

20日今日は一日雨でした、
東京では音楽鑑賞・ショッピングとテキパキと時間を
有効に使った様子がわかりました、女の人はあれもこれもと
見ることに時間がかかり手元には何も無かったということがあります、
買い物も済ませたのですから偉い!!

ここロゼのホールもS席もですが3階席が音の通りが良いと
評判です、それにしても1500円とは安いですね、
曲が 「皇帝」 「エロイカ」と言うのも豪華で大満足でよかったですね。

立花隆は知っていましたが白川静は知りませんでした
今度調べてみます、

新幹線も乗り換えなしになり東京が近くなって
坊ちゃんの様子もわかるし趣味のコンサートにも
お買い物にも便利になります。

雪と桜は一度田沢湖辺りで見ました、桜のピンクと雪の白が
とても良かったです。


1Q84を買ってみました、
まだ先には進んでいませんが解読書なるものもあるそうです、
こんな文の具合なのかとチョット驚きました。

それでは!

by jun (2010-04-20 22:54) 

hitoshi

こんばんは!

今夜のニュースでは,近頃の寒さで,桜の開花は少し先になり,ゴールデンウィークが見ごろになるのではないかということでした。

富士市のコンサート,感動的な場面があったようですね。
「金婚式」は遥か昔に聴いたような気がします。
私は結婚が遅かったので,金婚式ということはないと思いますが,junさんはその日を迎えることになるでしょう。

1500円でN響が聴けるというのはすごいなと思いました。
また,往復切符の料金で,ホテル付きというのも割安感があり,また行くかという気になります。

1Q84,村上春樹の世界は広がっていますね。初恋,恋愛,カルト教団,DV,親子,ハードボイルド,文学出版など,すごい文学世界ですね。

junさんは,本を読むのに老眼鏡いらずというのがすごい。私は少し読むと眼が疲れてしまいます。

また!

by hitoshi (2010-04-20 23:14) 

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