SSブログ

レナード・バーンスタイン/マーラー・交響曲第9番 [音楽]

マーラーの交響曲をレナード・バーンスタインの指揮で聞いてきましたが,前回は第8番,今回は第9番です。
マーラーの死後,未完成だった第10番を補筆して発表されましたが,私のマーラーの旅は第9番で終わりにします。

バーンスタインによるマーラー・交響曲全集は,第1集がCBSによるニューヨーク・フィルハーモニックのもの,第2集がグラモフォンによる,ウィーン・フィル,アムステルダム・ロイヤル・コンセルトヘボー,ニューヨーク・フィルハーモニックのライブ録音によるものの二つです。
そのほかにも多数の録音がありますが,こと9番に関しては,一期一会の録音として知られている,たった一度のベルリン・フィルとの録音が有名です。

きのう午後から,コンセルトヘボウとベルリン・フィルの2つの録音を3時間かけて聞いてみました。

マーラー・交響曲9番.jpg
レナード・バーンスタイン指揮 ロイヤル・コンセルトヘボー管弦楽団 1985年6月 アムステルダム・ロイヤル・コンセルトヘボー録音

録音が新しく音が良い。90分にならんとする,マーラーらしい長大な曲です。8番は,ソリスト7人に合唱団3つという壮大な曲であたかもオラトリオのようなものですが,9番こそがマーラーの交響曲の集大成だと思います。

第4楽章「アダージオ」は,5番の「アダージェット」を想わせますが,劇的なクライマックスに導くこの楽章を聞くだけで9番を聞く価値があると思います。静かに静かに長い静寂で終わりを迎えますが,あたかも彼岸に導くかのようです。

マーラー・交響曲9番(ベルリンフィル.jpg
レナード・バーンスタイン指揮 ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団 1979年10月ベルリンフィルハーモニー録音

一期一会と言われているこの録音は,レナード・バーンスタインが生涯で一度ベルリン・フィルを指揮したことで知られています。一説には,帝王カラヤンが頑として登壇させなかったともいわれています。また,カラヤンはマーラーの録音に消極的であったともいわれています。
ユダヤ系を嫌っていたのかもしれません。

2つの録音を聞いて,この2つにどこか印象の違いを感じるのです。
第4楽章の「アダージオ」で,バーンスタインが身も心も曲に捧げます。
バーンスタインのうめきのようなものが聞こえます。

ベルリン・フィルもウィーン・フィル同様,マーラーの曲に好意的でなかったようですが,著名なベルリンフィルの首席クラリネット奏者カール・ライスターは,その著書「ベルリンフィルとの四半世紀」で,この演奏会について「オーケストラはひれ伏した」そして「私のベルリンフィルにおける25年のうちでも,圧倒的なクライマックスともいえる事件であった」と述べているそうです。

ベルリン・フィルとの一期一会の録音が世に出たのは,バーンスタインの死後でした。

バーンスタインのマーラー演奏は,マーラーの普及に貢献したといわれています。
機会があれば,是非この二つの演奏を聞いていただきたいと思います。
長大な曲です。

マーラーの交響曲の最後に,私の好きな交響曲を3つ挙げさせていただきます。
①第4番 声楽入りの交響曲として,若々しいマーラーの心が透けるようです。
②第5番 充実したマーラーの世界
③第9番 集大成,マーラーの精神世界

レナード・バーンスタインについて
バーンスタインの描く音楽世界は,明るく伸びやかです。しかし,9番では,悩み呻いている。
作曲家,演奏家,指揮者として敬愛してやみません。






nice!(0)  コメント(0) 

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:[必須]
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。