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バーンスタイン/マーラー交響曲第10番 [音楽]

昨日3月29日(金)をもって令和5年度の仕事は終わりました。
来週月曜は令和6年度の始まりの日,仕事に決別するまであとわずかになりました。
この1,2週間,これまでになかった忙しさでしたが,さすがに昨日はホッとして夜は抑えていたお酒を飲みました。

昔,中学校の音楽室にはバッハ,ベートーヴェン,モーツァルトなど偉大な作曲家の肖像が掲げられていましたが,現在盛んに聞かれている(私の好みの?)マーラーやブルックナーなどはありませんでした。何回かにわたり,マーラーの交響曲をバーンスタインの指揮でDVDで聞いてきましたが,今日は最後の交響曲第10番です。
この曲は,マーラーの最後の交響曲ですが未完です。
マーラーの遺稿では5楽章の予定のようでしたが,マーラーによって書かれたのは第1楽章「アダージョ」だけで,その他の楽章はマーラーの遺稿などを基に多数の人の補筆によって全曲完全版と言われるものが世に出ています。

国際マーラー協会はマーラーの手による第1楽章のみを「全集版」として出版しており,バーンスタインは,この第1楽章のみを演奏しています。

バーンスタイン/マーラー9番,大地の歌.jpg
1974年10月 ウィーン コンツェルトハウス(ライブ) レナード・バーンスタイン指揮ウィーンフィルハーモニー管弦楽団

マーラーの第9番は,終楽章がアダージョで終わります。
10番は第1楽章がアダージョ,長大な9番のアダージョは,クライマックスは盛り上がりそして消え入るように終わるのですが,10番は,静かにビオラの合奏に始まります。
終始,緩やかに,9番のようなダイナミックな高揚はありません。

私には9番のアダージョに連続しているように感じられるのです。

現在,多数の補訂完成版の録音が流通していますが,バーンスタインがそれによらずアダージョのみを演奏したのは,マーラーは,この楽章によって「我々に別れを告げたのである。」と言っているのではないかという気がしてなりません。

マーラーは,1910年この曲の作曲にとりかかりましたが,翌1911年死去により10番は未完となったのです。






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