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東京日記2017.9.1,2…① [東京日記]

ブログ更新が少し遠のきました。
先週は,何故か仕事が立て込み,いつになく忙しい1週間でした。
その間に8月が過ぎ,もう9月です。

忙しいと言いながら,9月1日,2日と東京に出かけました。
息子は東京に居りませんので,気ままな私だけのための一人旅です。

その一番の目的は,ヴァイオリンの鬼才,巨匠「ギドン・クレメル」のコンサートを聞くためでした。ギドン・クレメルと言えば,現在,世界で最も著名なヴァイオリニストと言っていいのではないでしょうか。若いころからLPレコードを持っていましたし,CDも持っています。
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9月1日東京芸術劇場 ヴァイオリン:ギドン・クレメル,チェロ:ギードレ・デイルヴァナウスカイテ,ヤツェク・カスプシク指揮読売日本交響楽団
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①ヴァインベルグ「ポーランドのメロディー」作品47No.2
②フィリップ・グラス「ヴァイオリンとチェロのための二重協奏曲」(日本初演)
③ムソルグスキー(ラヴェル編)「展覧会の絵」

①ポーランドの作曲家ヴァインベルグは,ユダヤ人であるがゆえに,ナチスから逃れロシアに逃げ
,ショスタコーヴィチにも助けられたものの,スターリン体制のロシアは安住の地ではなかったようです。家族は強制収容所で亡くなりました。
この曲は,故国ポーランドに思いを寄せた第1曲「アダージョ~アレグロ」第2曲「アンダンティーノ」第3曲「アレグロ」第4曲「アレグロモデラート」の4曲の構成で,第4曲は,華やかなマズルカで締めくくられています。
1949年にモスクワで作曲された曲ですが,ソ連時代の暗いイメージはなく,明るくのどかな田園の雰囲気が感じられ,映画音楽に使われそうな曲です。日本でいえば,佐藤勝の映画音楽が思い出されました。

②アメリカのフィリップ・グラスの2010年の曲で,日本初演です。
ギドン・クレメルは,演奏活動において,作曲家から献呈を受けたもののほか,世界初演が多いのだそうです。
この曲は日本初演,7曲で構成されており,ヴァイオリンとチェロの二重奏が4曲,その間にオーケストラ主体の3曲。

クレメルはヴァイオリンを頭上に掲げてステージに登壇,彼が主宰する「クレメラータ・バルティカ」の女性チェリストと共にこの協奏曲を熱演しました。
チェロとのデュエットは,かつて録音したモーツァルトの協奏交響曲を思い出されました。二人の男女がささやくような,あるいは対話しあうような緩やかに揺れ動くような音楽です。

クレメルの演奏は,スポーツをするような,かつてのジャズピアニスト「キース・ジャレット」を連想しました。失礼かな。
同年の70歳,巨匠の若々しい演奏を,ステージから5列目で間近に表情も見ることができました。

アンコールに応えて,チェリストとのデュエットで「カンチェリ/ラグ・ギドン・タイム」,おそらく,カンチェリという作曲家がクレメルのために作曲したものでしょう。ウィットにあふれたスリリングな曲でした。
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③誰でも知っている「展覧会の絵」
オーケストラ渾身の演奏でした。
ラヴェルのオーケストレーションの凄さにノックアウトです。


1曲目,2曲目とも初めて聞く新しい曲ですが,非常に親しみやすく,楽しい曲でした。
現代音楽というと拒否反応を起こす人もいますが,そのような人も楽しめるコンサートでした。

前から5列目でクレメルに接して,今回のコンサートは一生忘れることがないでしょう。


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東京日記…2017.2.10 [東京日記]

10日(金)は仕事を休み東京に出かけました。
息子は昨年3月から東京にいないので,一人好きなことをして翌日帰るという,気ままな旅です。
立春を過ぎたというのに,両日とも,列島を今,今季最強の寒波が襲っているという中での旅行でした。
東京は金曜は曇り,土曜は晴れでしたが,寒い両日でした。

マティスとルオー展  ー手紙が明かす二人の秘密ー
マティスとルオー展.pngマティス・ルオウ展.JPGアンリ・マティス.JPG

今回の旅行の目的でした。
BS日テレとNHK・Eテレ「日曜美術館」でも今回の展覧会を紹介していました。

二人の晩年は全く異なる画風のように見えますが,国立美術学校の同級生で,生涯の友だったようです。今回の二人の展覧会は,絵画とともに取り交わした手紙や出版された画集も間近に見ることのできる感動の絵画展でした。
しかし,いつものとおり,建物に入るや否や撮影禁止。館内のポスターや看板の撮影禁止とはいかに。


この日はお昼前に東京駅に着いたので,新橋駅でJRを降り,会場のパナソニック汐留ミュージアムまで7,8分歩いたのですが,途中,香川と愛媛のアンテナショップを見つけたので,展覧会の後,昼食は讃岐うどんということにしました。

香川県というと,我が家では,うどんのほかに「醤油豆」です。
乾燥したそら豆を焦げ目がつくまで炒り,砂糖,醤油,味醂,唐辛子の調味液に漬け込んだものです。香川県民のソウルフードだと思います。
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方々歩きましたが,夜は寄席でゆっくりし,翌日は,静嘉堂文庫の刀剣展を見て青森に帰ってまいりました。

お土産…醤油豆のほか,船佐の子持ちワカサギ甘露煮,皮付べったら漬け。


雪国の青森は少雪,それに引き換え,西の地方では,例年の10倍の降雪で被害も甚大だということです。お見舞い申し上げます。

それにつけても,マティスとルオーの友情と絵画にふれ,少しは気持が豊かになったかな?

早速,今朝は,ワカサギ甘露煮,べったら漬け,醤油豆の朝食でした。うまい。













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東京日記2…食ほか [東京日記]

食いしん坊は治りません。

以前,グルメキングのKさん推薦の東京の美味しいもの,①資生堂パーラーのオムライス,②上野広小路・双葉のトンカツ,③並木の藪の鴨南蛮,④虎屋の葛切り,を,熱く推奨されたのですが,その内一番数多く食してきたのが,浅草・並木の藪の鴨南蛮です。

並木の藪.JPG鴨南蛮.JPG蕎麦湯.JPG

うまい。鴨汁でよく煮た葱(南蛮)に鴨の旨みがたっぷりあふれています。
鴨葱と言われるように,鴨と葱はベストマッチなのです。
厚切りの鴨肉も柔らかくて美味しい。
Kさんが推奨したのは,この味を指しているのでしょう。
鴨南蛮は3月までしか食べられません。

蕎麦のあとは,落語です。浅草にホテルをとると,夕食は蕎麦,夜は浅草演芸ホールで落語というのが私の定着したスタイルになっています。

夜席が始まっていました。大看板の「桂文治」,枕は新宿末廣亭の夜席主任の時に聞いた先代「文治」にまつわる噺,夜9時ころまで落語を聞いて,すぐ近くのホテルに帰ります。
新宿末廣亭では飲食禁止,浅草演芸ホールでは飲食できます。ビールを飲みながらの落語でした。

翌日は,予定を済ませ,昼食は,「ツバメグリル」のツバメ風ハンブルグステーキにしました。
アルミホイルに包まれたハンバーグに大きなジャガイモ,ビーフシチュー,インゲン,クレソンがセットですが,大きなジャガイモが美味しい。
パンかご飯がつきますが,このジャガイモを食べたらパンもご飯もいりません。しかもリーズナブルです。
上京すると,一回はツバメグリルで食事をしたいと思っています。

ツバメグリル1.JPGツバメグリル2.JPG

買い物
最近,帰りには,皮付きのべったら漬けと佃煮を買います。べったら漬けは塩辛くもなく甘すぎず麹の甘さが大根に沁みています。佃煮は,寒い時期にしかないワカサギの甘露煮,卵をもった大ぶりのもの,とてもおいしいです。これらを買い帰路につきました。


上京すると足腰が痛くなります。固い路面を歩くからでしょう。眺望山トレッキングではこんなことはありません。
眺望山トレッキング2,3回分あるいたかもしれません。眺望山は雪かな。







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東京日記1…芸術 [東京日記]

金曜の朝,強風の吹き付ける青森を出て,一路東京に出かけました。
強風のため,秋田新幹線の大幅遅れで「こまち」の接続がなく,盛岡・仙台間はスピードを落として運転していました。

今回の東京の旅は,11月22日,すみだ北斎館がオープンしたのでぜひ見たいということで,仕事を1日休みました。

すみだ北斎館
すみだ北斎館の最寄り駅は両国,江戸時代,津軽藩上屋敷のあった場所で,息子のアルバイト先の進学塾のすぐ近くであったため,家族3人で公園だった頃,前を通ったことがありました。

昨年,長野・小布施で北斎の作品を見ていましたから,どんなものかなと出かけた次第です。

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混んでいました。北斎の人気のほどがうかがわれます。このような中に,なんと仙台に勤務していたころの女性同僚とばったり,奥様たちは優雅です。

小布施の鮮やかな肉筆画に圧倒されましたが,すみだ北斎館はアカデミックなアプローチをしているのかなと感じました。

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人気の「神奈川沖浪裏」や「凱風快晴(赤富士)」には人だかりができていました。

ここ両国からは,忠臣蔵の本所松坂町「吉良邸」が近く,しかも,吉良家家老の小林平八郎が北斎の母方の縁続きなのだそうです。

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次は,ダリ

地下鉄「乃木坂」から直通で国立新美術館へ,ここも混んでいました。
美術館はいずこも写真撮影ができないのが玉にキズ,文化財の保護と著作権の問題なのか。

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ダリはシュールの代名詞のようなものですが,ピカソに広範な表現があるように,ダリの絵も宇宙の広がりのような魅力がありました。もう少しゆっくり見たい。

翌3日
「国立西洋美術館」
ル・コルビジェ設計の「国立西洋美術館」が世界遺産に指定されて以来初めてですが,ここに来ると,コルビジェとその一番弟子だった前川國男氏の設計した「東京文化会館」が向かい合っているのをいつも眺めます。
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「クラーナハ展」
日本初のクラーナハの大回顧展として,ウィーン美術史美術館からこんなに貸し出されたことがないそうです。「500年後の誘惑」とか「冷たい視線が惑わせる」と,ポスターのサブタイトルがついています。ザクセン選帝侯のお抱え画家として作成した油絵の数々に魅了されました。
油絵が大半ですが,カンバスよりも,菩提樹やブナの板に描かれているものが多いようです。
冷たい表情の裸の女性が,「500年後の誘惑」とか「冷たい視線が惑わせる」,その通りです。

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東京国立博物館

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「小林斗(とあん)篆刻の軌跡」
書や篆刻をみるのが大好きな小生にとって,東京国立博物館を訪れる楽しみは,このようなものに触れることができることです。
小林斗は,篆刻で初めて文化勲章をいただいた人です。

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数々の篆刻を時間をかけて堪能しました。何を隠そう,私はハンコ好きです。

「平安の秘仏」
滋賀県甲賀市の櫟野寺(らくやじ)の寺外初公開の重要文化財20体をすべて公開しています。
中でも総高5メートルの「十一面観音菩薩坐像」に圧倒されます。
一つのお寺に重要文化財が20体もあるという。

つづく



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東京日記…2016.2.12,13 [東京日記]

寒さの緩む中,東京に遊びの旅。
金曜には不在ですとお得意先に連絡し,12,13日の金土の二日間東京に出かけました。

さしたる大きな事情があったわけでもありません。
年をとり,好みの封筒・便箋,好きなワカサギの甘露煮,皮付きのべったら漬などを買って,夜には落語を聞く旅でした。こんなものです。蕎麦も食べました。

浅草「並木の藪」の鴨南蛮
せっかく浅草にホテルをとったので,夜は鴨南蛮に決まりです。
何度か紹介しましたが,グルメキングKさんお勧め鴨南蛮ですが,何しろ,鴨の猟期のためか11月から翌年3月までしか食べられません。濃厚な鴨の出汁に厚切りの鴨肉は絶品です。
冬,東京に出かけることがあれば欠かせません。大きな土瓶で出てくる蕎麦湯と蕎麦猪口が出てくるのでたっぷり飲みたくなります。

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ホテルも食事も夜の楽しみも浅草,しかもホテルから「並木の藪」に行くためには浅草寺の境内を通るのが近道です。
いつ来ても観光客で混雑しています。しかも外国人がたくさん来ています。

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今回は浅草演芸ホールで落語を楽しむことにしていました。
その理由は,大好きな柳家小満んが出てくるからでした。この人の噺に惚れ込んでいます。さすがでしたね。

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この日の昼席の主任は,三遊亭円丈,夜席の主任は古今亭志ん輔,ほかに,柳家さん喬,桂文楽,髪切りの林家正楽,三味線漫談の三遊亭小円歌など,実力十分,おなか一杯楽しみました。
夕食を早く食べたので,昼席のトリの円丈を聞けてお得でした。
志ん輔もよかったですね。「幾世餅」,この話は「紺屋高尾」と同じ展開の噺ですが,志ん輔の入魂の語りでした。搗き米やの職人が浮世絵を見て幾世太夫に一目会いたいというところから始まり,最後は夫婦となり餅屋を始め繁盛するという人情噺です。

東京にいる息子の勤務地が変われば,これからは好きなものを見たり聞いたり,気に入ったホテルに泊まり,誰に会うこともない,気ままな一人旅に出ることになるかな。

青森は2日雨が続き,周りの雪が随分少なくなりました。春よ来い!





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東京日記②2015.10.2 [東京日記]

爆弾低気圧が太平洋側を通過,10月2日明け方から東京は雨になりました。
9時半ごろホテルを出るとカンカン照りになっており,28℃になるらしい。
六本木まで地下鉄半蔵門線で行くつもりでしたが,一旦駅外に出て地下鉄の駅に向かったものの渋谷は工事工事,田舎者には遠回りでも駅の中から銀座線青山一丁目から向かうべきでした。後の祭りです。

昨年,息子が就職をし六本木に勤務しているのに,どんなところなのか見たこともありませんでした。
時間もあったので勤務先の建物をみることに。
勤務しているのはテレビ朝日の道路を挟んで向かいのビルでした。

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1階の大きなスターバックスで冷たいものを飲み,汗が引くまで休憩。
上京するとよく歩きます。地下鉄の乗継に300mくらい歩くのは珍しくないので,眺望山トレッキング2回分は歩いている勘定です。

昼食は,つばめグリルにしました。アルミホイルに包まれている「つばめ風ハンブルグステーキ」,しばらくぶりでした。ランチサービスでパンかごはんがつきますが,どちらも辞退しました。
大きなじゃがいもが添えられているので,それで十分です。

まずトマトサラダ。冷たくておいしい。
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何のことはないハンバーグステーキですが,ビーフシチューにクレソンそれと大きなポテトです。
上京するとほとんど一回は食べています。リーズナブルです。

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明治屋でイカナゴの釘煮を買い,三菱一号館美術館に行ったら,10日から始まる「プラド美術館展」のために休み,残念でした。機会があれば是非ということで。

ロビーのソファーに座ると,うとうとしていました。
外に出ると強い日の光がまぶしく暑い。

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12月にはカミさんと上京します。息子が正月に帰省しないというので親の方から出向きます。
これまで見たことのない「歌舞伎」でもどうかなと思案しています。
息子が銀座で鮨をご馳走してくれるらしい。




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東京日記①2015.10.1 [東京日記]

半年ぶりの東京でした。

<演奏会>
今回の目的は,10月1日のNHk音楽祭でした。
ベルナルト・ハイティンク指揮ロンドン交響楽団とマレイ・ペライアのピアノの競演です。

ハイティンクは,私が音楽を聴き始めた50年前から,既にアムステルダム・コンセルトヘボウの指揮者でした。
以来,長らくこのオーケストラの指揮者を務めていましたが,86歳の現在でもロンドン交響楽団の指揮など,老を感じさせない音楽を聞かせてくれます。
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私が音楽を聴き始めた50年前,若手のピアニスト,バレンボイム,エッシェンバッハ,ゲルバー,アルゲリッチなど,いずれも今や巨匠として活躍しています。
その中の一人ペライアのピアノを聞くことも今回の目的でした。
1 ヘンリー・パーセル(スタッキー編曲) メアリー女王のための葬送音楽
 パーセルは1600年代のイギリスの音楽家です。イギリス中世の曲をアメリカの作曲家スティーヴン・スタッキーが編曲したものです。
パーセルと言えば,ブリテンの「青少年のための管弦楽入門」の主題がパーセルです。
現代アメリカの作曲家が編曲していますが,奏でられるのはまさにイギリス中世の音楽でした。
11月,Eテレで放送されるということですから,是非見ていただきたいと思います。

2 ベートーヴェン/ピアノ協奏曲第4番
 ベートーヴンの協奏曲5曲のうちで,私の最も好きな曲です。5番はがっちりした構成で交響曲のような曲ですが,4番は華麗でロマンチシズムに溢れています。ペライアも68歳,若いころのイメージしかありませんでしたが,年相応の容貌になっていました。

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ペライアのピアノは,抒情とテクニックに満たされています。拍手が鳴りやみませんでした。

3 ブラームス/交響曲第1番
 誰でも知っている1楽章の出だし。
ハイティンクはつかつかと舞台の指揮台に立つと,間隙なくいきなり指揮棒を振りました。そして,第1楽章が鳴り出しました。
ハイティンクもオーケストラの全員も,この曲は,楽譜なしでもさらりと演奏できるのではと感じさせました。
老マエストロは,イメージとは違い大きな体躯と小さな指揮棒の動き,奏でられるのはブラームスの壮大な音楽でした。
何度も何度も舞台に呼び出されるアンコールがいつ終わるか知れないと思わせるものでした。


雨の夜,ホール前で,息子と待ち合わせていました。息子は8時まで残業をしていたようでした。
当夜は渋谷のホテル泊,渋谷駅近くのイタリアンレストランで夕食ということにしました。
オーダーは息子に任せ,鶏のレバーパテ,トマトベースのニョッキ,ゴルゴンゾーラのピザとスパークリングワイン。
以前イタリアンで会食した時も,ゴルゴンゾーラのピザでしたが,息子はアオカビチーズが好みのようです。小生もです。ゴルゴンゾーラに蜂蜜は合います。
人事の希望を提出したようで,もう少し忙しい部署を希望したようでした。しばらくぶりの息子の姿を見て安心しました。

ホテルのベッドで横になるまで演奏会の余韻があり,幸福な一夜となりました。






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東京日記2015.2.13,14 [東京日記]

荒天の青森を背にして,13,14日の2日間東京に出かけました。
秋田新幹線や山形新幹線は,暴風雪のためダイヤが乱れていましたが,東北新幹線に乱れはありませんでした。
東京は快晴,しかし寒い。厚めのコートにするかどうかを迷いましたが,厚いコートを着てもまだ寒い2日間でした。

コンサート
10月2日のNHK音楽祭を聞いたときに,2月の定期で庄司紗矢香がシベリウスを弾くことを知り,今回のコンサートを聞きに来ると決めていました。
庄司紗矢香の媚びるような表情のないところ,一見不機嫌そうな表情が気に入っています。どこか,スキージャンプの高梨沙羅に似ているかな。
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シベリウスのヴァイオリン協奏曲
数あるヴァイオリン協奏曲の中でも好みの曲です。哀愁を帯びた曲で,日本人の感性にも合うのではないでしょうか。
薄紅のドレスのソリストは,神々しいばかりの演奏でした。この演奏会は,NHK・FMでライヴ中継されていたようですが,テレビカメラも入っていたので,いずれEテレで放送されると思います。
その時は,画面から彼女の姿を間近に見ることができるでしょう。この次からは愛用の小型双眼鏡を携行しましょう。でないと2階席の奥からは,ソリストの表情が良く見えません。反省。

万雷の拍手にこたえて弾いたのは,ピチカートのみの小品「水滴」でした。

ショスタコーヴィチ・交響曲第5番
9月からN響の首席指揮者就任が決まっているパーヴォ・ヤルヴィの指揮でした。
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寒い国のこの曲は,旧ソ連でショスタコーヴィチの作品に対し,反体制的であるとの批判にさらされている中での作品だそうです。ショスタコーヴィチが思いを寄せていた女性が密告によって逮捕されて収監された時期に書かれた作品のようです。

繰り返し,ビゼーのカルメンの一部が出てきます。日本人の耳になじんでいる曲ですが,圧倒的なパワーと諧謔的とも思える曲構成に熱狂する要素は十分です。
ピアノとチェレスタ,ハープが効果的に使われ,第4楽章ではティンパニーの連打でコーダに向います。

パーヴォ・ヤルヴィのパワーと歯切れの良いダイナミックな音楽に拍手が鳴りやみませんでした。

コンサートマスターは堀正文氏,退団するようで,今回の演奏が最後になるようです。
弘前市出身のトランペット首席の関山幸弘氏は定年を迎えるようでした。


夜9時,NHKホール前で息子が待っていました。
渋谷のイタリアンレストランで遅い夕食,ゴルゴンゾーラのピザ,パスタとピンクのシャンパンにしましたが,普段は夕食を食べない息子ですが,これで十分ということでした。父のような肥満にならないように気をつけているのでしょう。渋谷駅で息子は京王線,私は銀座線,息子と別れました。
そういえば,息子はショスタコーヴィチの5番が好きだったはず。


道楽
翌14日は,終日時間が空いていたので,府中の東京競馬場に出かけました。
初めての東京競馬場でしたが,大きな規模にビックリ,招待席も豪華で驚きました。
観覧席からは,雪を戴いた富士がくっきりと見えました。

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少しずつ馬券を買いましたが,当日のメインレース「GⅢクイーンカップ」的中でしたので,ほとんど浮き沈みなく東京競馬場を楽しみました。

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招待席の一角に,ハイセイコーで有名な元ジョッキー,元調教師の増沢末夫さんの顔が見えました。
54歳まで騎手を続けた競馬界の鉄人です。
白いマフラーに中折帽子,ダンディでした。


午後6時20分発の新幹線で青森に帰ります。発車前2分,携帯が鳴りました。息子が仕事を終え東京駅に着いたというのです。中央線のホームから2分では間に合いませんでした。正月に帰らなかったのでゴールデンウィーク前に帰るそうです。

青森は,前日からの湿った雪,翌日曜日は除雪,平日遊んだあと始末でしたが,月曜の今日は,朝からきれいに晴れ上がっています。


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東京日記…2014.12.14 [東京日記]

15日夜,東京から青森の自宅に帰ると,出発時よりもさらに30㎝は雪が増えていたような気がします。
この分だと例年にない早い根雪に「なるかも知れません。

今回の上京は,日曜日出発月曜日帰青というイレギュラーなことになりました。
息子の休みに合わせ,息子から銀座で寿司の接待を受けるということになったからです。
したがって,今回の上京は食の旅になりました。

まずは前座
浅草「尾張屋」で天麩羅蕎麦を食す。
昼食は,奮発して本車海老を食べました。できれば揚げたての海老天をお皿にのせて出してくれればいいのではないかと思います。蕎麦が熱いので,海老天がつゆを吸ってふやけてしまいます。
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今回は新宿泊にしました。夜息子に会うためには新宿がいいかということからです。
夜は,伊勢丹近くで軽く中華をいただいていると,息子がやってきて,8月以来の彼の姿を見ました。
エンジのネクタイに濃いチャコールのスーツ姿は,ビジネスマンの姿でした。
これから大学時代のクラスの集まりがあるというのでそこで別れ,カミさんとも別れ,私は「末広亭」で落語を聞くことに。

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末広亭 末広亭は,いす席のまわりを畳敷きの席が取り囲んでいる,昔の雰囲気の残る老舗の寄席です。
夜席の主任は,桂文治,先日BS11に出ていました。先代の文治は小作りで目がくりっとした人気の噺家でした。寄席に行くと,お客様をもてなすという気持ちが徹底しています。
文治いわく,「赤穂浪士討ち入りの日に選挙というのは何か意味があるのですかね?今日は東京も雪がちらちら,お寒い中,末広亭にようこそお出でいただきました。」という具合です。

一夜が明け,お昼に銀座の久兵衛で息子と待ち合わせていました。
息子に接待を受けるというので,得も言われぬ緊張がありました。
早速,昼のおまかせをいただくことになりました。

突出しは,イクラか塩辛。息子はイクラ,カミさんと私は塩辛。生ビールもいただきました。
中トロ,ウニ。ウニはいつものとおり若者に進呈しました。
鮪は,津軽海峡産,甘みがあり,郷土の海で獲れた鮪に納得しました。
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活本車海老を息子は生,カミさんと私は半生でいただきました。生の車海老には,あとで頭と尻尾が焼いて出てきます。これも美味しい。
煮蛤 江戸前ならではの味です。青森ではお目にかかったことがありません。タレで。
巻物 ネギトロ,胡瓜の細切り,干瓢。つい,一個食べた写真です。
玉子 久兵衛の玉子焼はうまい。芝海老が入っているという玉子焼,屋根型にシャリを少しつけてもらいました。
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久兵衛の穴子は絶品です。
近頃は,大ぶりの穴子を握り,半分に切って,タレと塩で出してくれます。塩でいただく穴子も美味しい。
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デザートは,芋羊羹かラ・フランス。カミさんはラ・フランス,息子と私は芋羊羹にしました。
芋羊羹は,こちらの和食の職人が作るのだそうで,市販の芋羊羹よりも繊細です。

息子に,何かほかに食べたらと勧められましたが,もう十分。写真upしたほかにも,大トロ,真鯛,カンパチ,スミイカなど十分でした。
たっぷり1時間,職人の粋と技,味。名店の寿司で満腹,贅沢な時間でした。

さらに,穴子棒寿司のお土産付。
息子の初接待は,一生忘れることはないでしょう。

カミさんと私に一本ずつ,青森に帰って少し遅い夕食は穴子棒寿司,贅沢にも各自一本を完食しました。
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平日一日休んだので,今日は忙しい。





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東京日記<芸術の秋>…その3 [東京日記]

日本国中に大きな被害をもたらした台風が,温帯低気圧に変わりました。
青森市では,6日(月)日中,雨と風が吹きましたが大した被害もなく,台風一過というところですが,全国の被災者を思えば心が痛みます。

先週2日,3日の二日間は,仕事を休んで上京しましたが,音楽と美術に親しむ,芸術の秋を堪能する旅でした。

東京国立新美術館は,収蔵品を持たない,いわゆるアートセンターとしての美術館だそうです。
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最初に訪れたのは3年前,今回と同じ「オルセー美術館展」でした。
長蛇の列の入館者の中で随分並んだ記憶があります。
平日だから,そんなに混雑はないだろうと高をくくっていましたが,今回も大勢の人が並んでいました。

Ⅰオルセー美術館展 「印象派の誕生―描くことの自由―」
 前回のオルセー展の方が規模は大きかったですが,今回はマネの作品が多く展示されていました。
 世界で一番有名な少年と何かに書かれてありました。
 今回のオルセー展を見たかったのは,マネの「笛を吹く少年」が来るからでした。
 中学時代,音楽か美術の教科書の表紙のあの絵です。
 軍楽隊の制服を着た少年,黒い木製の横笛,腰に金属の笛の鞘。想像していたよりもずっと大きい絵でした。色彩がすばらしい。誰もが知っている少年の顔は,日本人とも思える顔つきでした。
この絵だけでも今回のオルセー展に満足しました。

Ⅱチューリヒ美術館展「-印象派からシュルレアリスムまで-」
 オルセー展と併行して開催していた展覧会です。
 ゴッホの絵も良かったし,シュールな絵画も良かったです。
 マネの「笛を吹く少年」の強烈な印象に,名画揃いのチューリヒ展の印象が希薄になりました。

Ⅲ葛飾北斎展
 二つの西洋美術展を見た翌日,上野の森美術館で開催されている「ボストン美術館」収蔵の葛飾北斎展を見ました。
 圧倒されました。中でも人気の富嶽三六景「神奈川沖浪裏」,「凱風快晴(いわゆる赤富士)」の現物に感激でした。
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「神奈川沖浪裏」
日本よりも西洋で人気が高い作品だそうです。ドビュッシーもこの作品に影響を受けたようで,交響詩「海」の楽譜の表紙に使われています。
今回の公式図録の表紙になっています。
大きな波に飲まれそうな小さな舟を配し,向こうに小さな富士が見えています。
ダイナミックな構図と色彩にドビュッシーも感動したのでしょう。

「凱風快晴」
これが赤富士の正式名称だそうです。
版画は何度も版を重ねていく中で,微妙に色合いを変えながら刷るものらしく,絵師,彫師,刷師,版元の思いが生きているのです。
もっと大きいイメージでしたが,そんなに大きいものではありませんでした。大量に刷る和紙の大きさに制約があったのでしょう。

ボストン美術館は,日本美術の大きなコレクションがあるようですが,ほとんどの作品は,個人からの寄贈によるものだそうです。


今回の東京の旅は,音楽と美術,西洋と日本の芸術を堪能するものでした。
季節は秋,文字通り芸術の秋を体で味わう旅になりました。

次はいつになるか。2月にお気に入りの「庄司紗矢香」のシベリウス/ヴァイオリン協奏曲の演奏会があるので,その時になるか?






 
 
  


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